閑話休題⑫ エニアグラムの話4 循環
今回はエニアグラムの診断で、タイプが分かった後の話になります。
なにかのきっかけになれば幸いです。
そもそも一つのタイプの中には限りなく自由になる状態と限りなく不自由な状態の2極あります。
グラディエーションで分けると9つの段階に分かれています。
そうするとタイプは、さらに9つに分かれることになります。
タイプは1から9までありますので、全部で9×9=81通りあります。
さらに一番自由になるタイプが加わりますので、基本的には82通りです。
前回ご紹介したのは、たとえば1と9の狭間のタイプも加味したもので、今回はシンプルに基本タイプだけ取り上げています。
つまり人は1つの出来事に遭遇したら82通りの解釈と対応をすることが、潜在的にできることになります。この見方ができるだけでも、束縛から離れてとても自由な発想になるのはご理解いただけると思います。
今回は、その一つのタイプの中に9つの段階があることについて掘り下げます。
自由な状態ととても不自由な状態の2極ありますが、この不自由な状態というのは、たとえば利己的に行動した結果です。
仏教では煩悩に悩まされている状態で、六道輪廻をグルグル回っている状態です。
逆に自由な状態は、束縛がなくストレスなく創造的に行動している状態です。
なんで不自由な状態に陥るのかという説明に入る前に、悪循環について説明します。
ヒトには心技体、あるいは知情意といわれるように、3つのパートから分かれるという考え方があります。東洋で言えば、三才観などでしょうか。
エニアグラムではその3つパートを、身体・感情・思考と言うようにざっくりわけています。(管理人の簡易説明なので、ほかにきちんとした説明がありますので、もし不明な点あればしらべていただければ幸いです)
悪循環に陥るには、その3つのパートをどこからスタートしていいのですが、この3つのパートがグルグル回転します。回転方向は下記になります。
刺激(エゴ=煩悩)
→ 身体(恐怖による緊張)
→ 感情(身体:境界が確立したことによる、偽IDの成立)
→ 思考(恐怖を感じて対策を講じる)
*偽のID(利己的なID)のため、対策も利己的なものになり敵対関係が増える
→ 身体...
*以下継続してドンドン悪い方向へ(固定化した見方(境界))
ここで面白いのは、偽のIDが作られてしまうことでしょうか。環境上(たとえば仕事)とはいえ、どんどん関係付けられてしまい、自由に行動しているつもりが、逆にどんどん不自由な結果をもたらしていることです。私たちの境界線上は身体の表面(五感)ですから、スタートして考えても分かりやすいかと思います。
最後には病的な人格になり、医薬品で抑制する毎日のスタートです。
逆に良い循環もあります。
ただし前提条件として、相手(縁)があるということを自然に考えられるようになる必要があります。
つまり、その出来事には別の見方もあるという視点です。
自分の見方に別の見方を加えると良い循環が生まれやすくなります。
刺激(エゴ=煩悩)
→ 身体(緊張と境界の確立) ⇒ そもそも今ここにその他のものと関係付けられていることを実感
→ 感情(偽のIDの確立) ⇒ 他の人の見方もできるのでオープンハートな状態
→ 思考(恐怖とその対策) ⇒ その出来事を逆手順でいくつものルートから考えられるので、対策も豊富に思いつく
*以下どんどん継続して良い方向へ(創造的な見方)
ここで面白いのは、逆のIDが作られても、それを打ち消すように様々な上書きが行われるということでしょうか。環境から与えられたチャンスを見抜く知恵がここで得られるようになると思います。そうすると、身体を緊張させるのではなく、いかにしてリラックスさせるかが、キーポイントになるでしょうか。やはり身体からスタートしやすいと思いますので。
この状態は華厳では融通無碍などとしていますのが、こちら割愛いたします。
ココから先の按配は結構難しくて、自由になったつもりと思った瞬間に不自由(エゴ)になるので、エニアグラムの教科書でも口を酸っぱくして注意しています。
なんか禅っぽいですよね~。
(まったく違うものですが)
ひょんなきっかけから出会ったエニアグラムで、ここ数ヶ月の間いろいろ考えさせていただきました。
もっと面白いことはまだまだありますのでお近くのエキスパートに話を聞きにいくのも、夏の一つの締めくくりになると思います。
ご一読ありがとうございました。
また何か思いついたら書いていきます。